日本対がん協会

第93回 #病院の周り散策シリーズ(3)〜1日じゃ足りない!?「がん研有明病院」の周り〜/木口マリの「がんのココロ」

掲載日:2026年4月3日

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 しばらくぶりの『#病院の周り散策シリーズ』。第三弾の今回は「がん研有明病院(=がん研)」の周りを散策してみました!

 「次回の通院のときには、ココに寄ってみよう!」と、ちょっと楽しいプランが立てられる、“がんばった自分へのご褒美スポット & 食べ歩きグルメ”を紹介します。

ちょっとだけ旅をしよう

街と海が美しいベイエリア!(豊洲市場より)

 がん研があるのは、東京都江東区有明。この一帯は東京湾の埋立地であるため、大まかにいうと海に囲まれている。いわゆるベイエリアというステキな響きの立地なのだが、実は徒歩圏内には散策に適したスポットがあまりない。

 あるとしたら、病院をぐるっと囲む防災公園(東京臨海広域防災公園)だが、だだっ広い芝生といくつかのベンチがあるくらいで、憩えるかと問われると「病院内のカフェの方がのんびりできそう」と答えるだろう。

 そのほか、病院のはす向かいに東京ビッグサイト(国際展示場)があり、徒歩10分程度のところに有明ガーデン(ショッピングモール)がある。散策というイメージではないため今回は割愛するが、興味がある人は立ち寄ってみてもいいだろう。ちなみに有明ガーデンには、コンサートなどを行うシアター、劇団四季の劇場、天然温泉「泉天空の湯」もある。

 そんなわけで、がん研周りの散策には、電車に乗ってちょっとだけ旅をしたい。ほんの数駅の旅で、楽しさは大きく広がるはずだ。

 がん研の最寄駅は、りんかい線「国際展示場駅」と、ゆりかもめ「有明駅」。特にゆりかもめは、海に沿うかたちで高架を走る観光路線でもあるため眺めがよく、ゴムタイヤで走行していることから乗り心地はテーマパークのアトラクションさながらだ。

 さらに、ゆりかもめの周辺には、市場、先端技術を活かしたさまざまな体験型施設、海をのぞむ公園など、1日だけでは巡りきれないほど数多くのスポットがある。なかなか楽しさ満載の地域なのだ。

やっぱりココ!「豊洲市場」

カメラ目線のマグロ(模型)

豊洲場外市場

 ゆりかもめ「有明駅」から2駅行くと「市場駅」に辿り着く。ここにあるのは豊洲市場。2018年に築地から移された。

 当初、昭和レトロな築地に愛着のあるキグチとしては新築ピカピカな豊洲市場にあまり期待していなかった。しかし一歩足を踏み入れてみたら一転、「とっても楽しい!」という結論に至った。

 豊洲市場は、幾つかの巨大な建物からなっている。一般客が入れる建物は4つ(+場外市場)。いずれも市場前駅の2階改札から歩行者デッキでつながっているため分かりやすい。

 4つの建物とは、早朝にマグロの競りを見学できる「7街区・水産卸売棟」、水産仲卸店・物販店・飲食店からなる「6街区・水産仲卸売場棟」、青果の競りを見学できる「5街区・青果棟」、市場のPRコーナーと飲食店のある「管理施設棟」だ。それらに隣接して場外市場「豊洲 千客万来」がある。

 築地場外市場の多様な店舗が入り混じっている様子とは異なり、豊洲市場は卸売りエリア、飲食店エリア、食べ歩きができるエリアがそれぞれ整然とまとまっている。食べ歩きなら「豊洲 千客万来」一択だ。

まずは食べ歩き!「豊洲 千客万来」

江戸風情が楽しい「豊洲 千客万来」。

入り口にある「番屋」でマップや観光情報をゲットしよう。

川越を思わせる「時の鐘」。存在感がある。

 市場というのは、基本的に食材店や飲食店などを営むプロのためのものだが、千客万来は完全に一般客向けだ。

 その外観は、江戸の街を模している。門をくぐり、番屋(インフォメーション)を横目に奥へと入り込むと、小さな店がところ狭しと連なっている。1階から3階まで飲食店やフードコートのほか食べ歩きができる店が山のようにあり、どれを食べようかと目移りしてしまうほどだ。

中トロ串800円(相馬水産)
やっぱりマグロははずせない。

サバサンド500円(金ぷら)
ワンコインと思えないほどのおいしさ!

おつまみせんべい100円(小田原六左衛門)
安さがうれしい!さまざまなおつまみを選べる。写真は一番人気の「サーモン帆立」。無料のだし汁とともにいただく。

和クレープ「春の掛川抹茶 〜桜仕立て〜」1,390円(浅草茶屋たばねのし)
季節ごとに異なるクレープが登場する。中には抹茶アイスやイチゴが入っていて、食べ進めるごとに味の変化が楽しい。

紅茶クッキー(左・320円)とみつば茶漬け(右・410円)(豊洲えんぎもの)
キレイな布に包まれていて、お見舞いにも喜ばれそう。

紅茶クッキーとみつば茶漬け(魚の最中はあとで登場)。包みの布を敷いてみた。入院中の彩にもなるかもしれない。

彩(手前・2,800円)、北海丼ミニ(奥・1,500円/写真は+マグロの赤身600円)(江戸辻屋/3階フードコート)

 さらにここには宿泊もできる温泉施設「万葉の湯」があり、その屋上にある足湯にいたっては無料! ベイエリアの絶景を眺めながらのんびりと過ごしてみるのもいいだろう。


「万葉の湯」屋上の足湯(無料)。夜は夜景も楽しめる。

台にスマホを設置してベイエリアをバックに自撮り!

 基本的に、市場の朝は早い(超早い!)。しかし千客万来はオープンが10時で、閉店は18時や22時など(店による)。通院帰りでも十分に間に合うだろう。休憩スペースも豊富で、自分なりのペースで過ごせる。

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豊洲場外市場「千客万来」
年中無休
https://www.toyosu-senkyakubanrai.jp
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新スタイルだけど、市場らしさは健在!

 千客万来から歩行者デッキを奥へと進むと本格的な市場エリアに辿り着く。一般客が入れる建物のうち、「6街区・水産仲卸売場棟」「5街区・青果棟」「管理施設棟」には合計39店もの飲食店があるという。

 お寿司屋のみならず、とんかつ、中華、洋食、インドカレー、だんごなどさまざまな店があるのだが、お寿司以外の店の方が行列多かったりする。並んでいるのは、おそらく魚のプロの人々と思われる。もう魚は見飽きた!というところか。

「6街区・水産仲卸売場棟」の4階には、物販エリア「魚がし横丁」がある。鮮魚介類は扱っていないが、さまざまな食材や道具を販売している。

青ほうじ茶「飛騨のほまれ」(左・890円)、板のり「こんとび」(右・1,170円)(丸山海苔店/魚がし横丁)
お茶を飲みつつ海苔を試食しまくって選んだ逸品。

だんご(あんこ、しょうゆ)4本セット800円、おさかな最中269円(茂助だんご/管理施設棟)
おさかな最中は、あんこと求肥入り。

 ここで注意したい点がある。それは「時間」だ。

 魚がし横丁はプロが朝の買い出しの際に立ち寄る場所のため、早朝を避けて午前8時以降がオススメとのこと。そしてお昼ころにはどんどん店が閉まっていくことから、タイムリミットは午前中と考えた方がいいだろう。

 実はキグチは12時50分ころに訪れたのだが、数店をのぞきシャッター街と化していた。かろうじて開いていたお店の人によると「早い人は(市場に)午前2時に来る」とのこと。もはや「早い」どころの騒ぎではない。

午後1時前にはシャッター街に……!究極の朝型の街。

 市場はプロのため……といっても、観光客を歓迎しているムードはそこかしこに見受けられる。市場独特の乗り物「ターレ」の実物やクロマグロの等身大パネルのフォトスポットがあったり、仲卸売場を上からガラス越しに眺められるエリアがあったり。すべて建物のなかにあるため、天候を気にせず巡ることができるのも魅力だ。

フォトスポット「市場風景とターレの実物」

フォトスポット「築地市場で取引された最大級の本マグロ」

 ちなみに、豊洲市場にはオリジナルキャラクター「いちばにゃん」というものがいる。しっぽを魚にくわえられたネコなのだが、そのどこにも豊洲らしさはない。「魚がいなければただのネコだよね!?」とツッコまれていそうな微妙さにジワジワと親しみが湧いてくる(気がする)。

豊洲のいちばにゃんサコッシュ1,100円(伊藤ウロコ/魚がし横丁)
いちばにゃんグッズは、通常、この肩掛けバッグのみ。

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東京都中央卸売市場 豊洲市場
休業日:水・日曜日(ほかHPを参照)
https://www.toyosu-market.or.jp
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このエリア、とんでもなく見どころ満載!!

 今回の散策記事のためにこのエリアを深掘りしたわけだが、出るわ出るわの見どころの宝庫だった。キグチの独断でピックアップしたものを簡単にまとめてみた。

・マギーズ東京
がん経験者や家族などのための憩いの場。無料で利用でき、思いおもいの時間を過ごしたり、医療スタッフに相談したりできる。実は豊洲市場のすぐ近くにある。
https://maggiestokyo.org

・チームラボプラネッツ東京
デジタルテクノロジーを駆使した体感型アートミュージアム。ひざ下まで水に浸かるエリアもあるので服装に注意。
https://www.teamlab.art/jp/e/planets/

 

・スモールワールズ ミニチュアミュージアム
さまざまなジオラマが展示されているテーマパーク。自分そっくりな3Dフィギュアを作ることもできる。そのフィギュアをミニチュアの世界の住民として設置できる「住民権つき」プランも!
https://smallworlds.jp

・シティサーキット東京ベイ
運転免許不要で屋外、屋内のサーキットをカートで走行できる。しかしながら大人用のカートは「身長150cm以上」という制限があり、チビッコのキグチは乗れない。
https://city-circuit.com/

テクノロジーを体感する国立のサイエンスミュージアム。専用タブレットを手に、ロボットが活躍する「ナナイロシティ」を巡るツアーなど、さまざまな常設展・企画展がある。視覚障害者向けの自律型ナビゲーションロボットによるツアーといったバリアフリー対策も。
https://www.miraikan.jst.go.jp

・お台場レトロミュージアム
昭和レトロな町並みを再現し、実際に触れて遊べる博物館。着用できる昭和の衣装も!
https://odaiba-retromuseum.tokyo.jp

・船の科学館(初代南極観測船“宗谷”)
南極観測船「宗谷」を無料で見学できる。当時の状態を保っていて急な階段などがあるため注意。
https://funenokagakukan.or.jp/soya
 

・うんこミュージアムTOKYO
名前のインパクトがすごいミュージアム。大人も子供も楽しめるらしい。「うんこを見て、触って、撮って、遊ぶ」とのことだが、何が起こるのか想像もつかない。
https://unkomuseum.com/tokyo/

・江東区が発行している「江東区観光周遊マップ」はこちら
https://koto-kanko.jp/guide/map/syuyumap/

 市場から、最新テクノロジーを体感するミュージアムまであり、まるで万博のようだと感じました。これだけさまざまなスポットが詰まっているエリアは、東京都内でもなかなかない! そのときの体力や気分に合わせて、通院ごとに1つずつ巡ってみるのも楽しそうです。

※掲載の内容・価格は、2026年3月時点のものです。

#病院の周り散策シリーズ

第一弾「国立がん研究センター中央病院の周り」はこちら:

https://www.jcancer.jp/gsclub/tips/19878

第二弾「東大病院の周り」はこちら:

https://www.jcancer.jp/gsclub/tips/21430

木口マリ
「がんフォト*がんストーリー」代表 執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。2013年に子宮頸がんが発覚。一時は人工肛門に。現在は、医療系を中心とした取材のほか、ウェブ写真展「がんフォト*がんストーリー」を運営。ブログ「ハッピーな療養生活のススメ」を公開中。