2026年6月7日(日)、がん患者さん・ご家族へ治療や療養生活に関する支援情報を提供するイベント「ジャパン キャンサー サバイバーズ デイ(JCSD)2026」を、東京・築地の国立がん研究センター研究棟にて開催いたしました。9回目の開催となる今年は、テーマを「がんとともに生きる -こころとからだの『痛み』を考える-」とし、がんとともに生きる中で経験するさまざまな「痛み」とそのケアについて専門家の講演やがん経験者らによるトークセッション、また支援団体・企業ブース等の展示を通して考えました。会場ではテーマに沿ったパネル展示や写真展も行い、参加者がご自身のペースで正しい情報につながるようにしました。
このページでは、盛況のうちに幕を閉じたJCSD2026を写真やアンケートを交えて振り返ります。当日ご参加できなかった方は、各講演のアーカイブ動画もぜひご覧ください。
冒頭で日本対がん協会会長垣添忠生が、「体の痛みをやわらげる対処方法は進歩してきたものの、問題はやはり心の痛み。医療の世界では緩和ケアやグリーフケアをはじめとした様々な支援の手が差し伸べられてきており、日本対がん協会でも、がん患者さんが孤立しないよう、ひとりではないと感じてもらえるような取り組みを行っている。今日は、講演やたくさんのブースが展開されています。意義ある時間となりますことを願っています」 とあいさつを述べました。
基調講演では、佐伯吉規氏(公益財団法人がん研究会有明病院 腫瘍精神科 医長 )より、がんにまつわる「痛み」についてお話しいただきました。佐伯氏からは、がんに伴う「痛み」は、身体だけでなく、不安や孤立、仕事や家族への心配など、さまざまなつらさが複雑に関係しあう「全人的苦痛(トータルペイン)」として捉えられることが紹介されました。こころのつらさを一人で抱え込まず、言葉にして周囲へ伝えることの大切さや、支援につながるための考え方について、参加者とともに理解を深める時間となりました。「相談場所として、精神腫瘍科や緩和ケアもあることを頭の片隅においてほしい」とメッセージもありました。
がん経験者とのトークを“ユーモア”を交えながらネットで発信するNPO法人がんノートとの共催企画では、 「ひとり暮らしでのがん治療」をテーマに、3名のがん経験者に登壇いただきました。治療や生活の中で感じる不安や工夫を共有するとともに、専門家の視点も交えながら、治療と生活、社会とのつながりについて考えました。登壇者からは「『ひとり暮らし』と『ひとりぼっち』は別物。自分を孤立させないで」というメッセージもあり、ひとりで抱え込まないための支えやつながりについて考える機会となりました。
【ゲスト】
江頭奈津見さん(乳がん)|くるイチさん(子宮頸がん)|渡辺和彦さん(上咽頭がん)|久村和穂さん(石川県がん安心生活サポートハウスソーシャルワーカー)|儀賀理暁さん(埼玉医科大学総合医療センター 緩和医療科・呼吸器外科 教授)
【進行】
岸田徹さん(NPO法人がんノート 代表理事)
講演のあいまには、長い時間同じ姿勢でいたからだをほぐす、椅子に座ったままでできるストレッチを行いました(協力:一般社団法人BCY Institute Japan)。どなたにもやさしいストレッチで、午後のひととき、リフレッシュタイムとなりました。

儀賀理暁氏(埼玉医科大学総合医療センター 緩和医療科・呼吸器外科 教授)の講演では、ご自身が担当した患者さんのエピソードを紹介。がんという病気が出てきた時に、病気や治療のことが人生の大部分を占めて主役になりがちだが、「私という物語」の中における病の意味・意義を考える必要があると話し、病気が治ることと同じくらい家族、人生に対するケアに目を向けることの重要性を強調されました。儀賀氏による弾き語りのギター演奏も披露されました。
今年のテーマ「痛み」に沿い、16の団体・企業に出展のご協力をいただきました。各ブースでは支援情報の提供に加えて、参加者参加型の企画や、リラックスにつながるマッサージ等の施術を通して交流するブースもありました。各ブースでの相談や情報収集・交流を通じて、「ひとりではない」と感じられるつながりが生まれる場となりました。アンケートでは「マッサージに癒された」などの声が多く寄せられました。
ブース出展団体一覧(順不同)
昨年の当イベントで大変好評だった、支援団体がんフォト*がんストーリー協力の写真展を、今年も開催しました。がんサバイバー・クラブのコラムでもおなじみ、木口マリさん編纂の作品集「小さなつながり、大きなチカラ 〜心が通じ合えたもの〜」より、がん患者さんやご家族などから提供された写真とメッセージを展示しました。
ロビーでは、国立がんセンター中央病院がん相談支援センター協力により、「痛みとそのケア」をテーマにした各種パネルを展示しました。また、金原出版株式会社の協力により、最新の患者さん・ご家族向けのガイドラインを閲覧できるコーナーも設置しました。いずれも多くの参加者が足を止め、それぞれの展示にじっくりと見入る様子が見られました。 日本対がん協会のがん相談ホットラインのパネルでは、どのような相談が寄せられるのかなどを展示し、治療や身体の痛みだけではなく、周囲とのコミュニケーションや価値観などの相談があることを掲示しました。おなじく日本対がん協会のリレー・フォー・ライフチームからは、20年を迎えるリレー・フォー・ライフの活動についての年表を通して、全国で開催されているどなたでもご参加いただけるイベントの紹介とその活動の意義と歴史をお伝えしました。

国立がん研究センターのパネル

ガイドラインを自由に閲覧可能に

がん相談ホットラインについてパネルで

リレー・フォー・ライフの20年間の歩みを紹介

33の団体・企業からご提供いただいた資料を、ご自由にお持ちいただけるコーナーを設置しました。さまざまな資料を一度にご覧いただける機会となり、多くの来場者にご利用いただきました。

資料提供団体一覧(順不同)
アンケート結果の詳細は、以下のボタンからご覧いただけます。
開催報告書を以下のボタンからご覧いただけます。
後援
厚生労働省|
国立がん研究センター|
一般社団法人日本がんサポーティブケア学会|
一般社団法人日本サイコオンコロジー学会|
特定非営利活動法人日本緩和医療学会|
東京都|中央区