2015年09月01日

お知らせ

◇朝日がん大賞・日本対がん協会賞の受賞者決まる

 公益財団法人日本対がん協会が、がん征圧活動に功績のあった方々にお贈りしている「朝日がん大賞」と「日本対がん協会賞(個人、団体)」の今年度の受賞者が1日付で決まりました。
 各賞とも9月4日に前橋市で開催します「がん征圧全国大会」で表彰します。

【朝日がん大賞】

がん患者団体の要望を反映させたがん治療認定医制度の確立

一般社団法人 日本がん治療認定医機構

(理事長 平岡真寛・京都大学大学院医学研究科教授)

 日本がん治療認定医機構は、日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、全国がん(成人病)センター協議会の4団体の連携によって2006年に設立された。加えて15以上のがん患者団体とも連携しながら、国等の資金を使うことなく、患者中心のがん治療認定医(身近にいるがん治療の総合医)をこの10年で約1万4400人育成してきた。この機構では、全国のすぐれたがん臨床医の中から暫定教育医を選定し、この教育医を指導責任者とした認定研修施設を選定し、受験生にセミナー受講や受験の機会を与え、全国の一線で働く医師および歯科医師のがん診療レベル向上に大きく貢献した。
 この機構が、がん患者団体を含めたことにより、がん患者に直接資する医療レベルの向上を通じて、がん患者の要望にも応える「がん治療認定医」制度を確立し、第一線の医師育成を達成した功績を讃え、朝日がん大賞を贈るものである。

【日本対がん協会賞 個人の部】5人

本田 攝子(ほんだ・せつこ)66歳 群馬県がん患者団体連絡協議会顧問

1995年に乳がんになったことをきかっけに自らの体験を生かし、96年に全国的な乳がん患者会「あけぼの会」群馬支部を設立し、支部長に就任。以後19年にわたり、患者支援活動や乳がん早期発見・早期治療の重要性をアピールするキャンペーンを続け、各患者会の連携を図る行事なども定着させ、群馬県がん患者団体連絡協議会の初代会長を務めるなど、群馬県のがん患者支援に大きく貢献した。

澁江 正(しぶえ・ただし)79歳 前鹿児島県消化器がん検診推進機構会長

鹿児島県で1961年から始まった胃集団検診に当初から携わり、胃がん検診を中心に鹿児島県のがん検診事業の充実発展に尽力した。1984年からは、鹿児島県消化器集団検診研究会(現・鹿児島県消化器がん検診推進機構)の鹿児島大学病院代表の役員として参画し、99年から2012年までは会長も務め、その指導力で読影医の診断技術の向上や胃X線間接撮影及びデジタル撮影の技術向上、技術者の人材育成などに大きく貢献した。

三井 清文(みつい・きよふみ)77歳 水戸協同病院名誉院長

1985年に茨城県総合健診協会肺がん検診研究委員会委員に就任後、約30年にわたり、茨城県肺がん検診の読影に従事、肺がんの早期発見に尽力。筑波大学で肺がんの外科新術式の開発やがん免疫療法にも取り組むなど、がん征圧に努めた。1998年からは茨城県生活習慣病検診肺がん部会の委員として、市町村や検診実施機関の検診実施方法や精度管理のあり方について適切な指導を行い精度管理に大きく貢献した。

今岡 真義(いまおか・しんぎ)76歳  NTT西日本大阪病院総長

大阪大学や大阪府立成人病センターでがんの外科治療・研究に携わり、大阪のがん死亡減少に貢献した。厚生労働省の「原発不明がんの原発巣の診断に関する研究班」の班長を務めるなど、肝細胞がんの治療成績向上や、早期膵がんの診断・治療法の開発にも貢献した。大阪府対がん協会会長も務め、現NTT西日本大阪病院には、「がん何でも相談室」を設置するなど、多方面のがん対策にも奔走している。

久野 梧郎(ひさの・ごろう)71歳 久野内科院長

松山市で医院開業のかたわら、肺がん撲滅のため、1998年には愛媛肺がんをなくす会の立ち上げに参画、全国の支部に先駆けて愛媛県支部に肺がんデジタル検診車の導入に尽力。2004年からは愛媛県医師会長を務める一方、2007年からは愛媛県総合保健協会理事長として、要精検未受診者の削減や健診検査体制の改革に取り組み、13年度には胃部検診車すべてのデジタル化を実現するなど、5大がん検診の精度管理向上に大きく貢献した。

【日本対がん協会賞 団体の部】1団体

◇加古川総合保健センター(河合勝=かわい・まさる=理事長)

1980年の設立当初からがん検診に取り組んできた同センターは、2011年度から、健診受診機会の少ない働く女性のために、日曜日に乳がん検診と併せ、子宮がん検診も実施している。特定健診受診者には、がん検診の同時受診勧奨を行っている。地元行政とも連携した健康関連イベントへの出展や、民間商業施設に出向いてのがん検診の必要性の啓発活動などを通して受診率の向上に努めた。

(順不同、敬称略、年齢は9月1日現在)

日本対がん協会賞と朝日がん大賞

日本対がん協会賞は、長年にわたり、がん征圧活動に尽力され、功績を挙げられた方々を顕彰するため、1968年に設けた。
朝日がん大賞は、日本対がん協会賞の特別賞として朝日新聞社の協力で2001年に創設した。
①  がんの予防や検診のあり方等の研究で、将来期待できる成果を挙げた個入や団体。
②  画期的な検診機器の開発に関して功績を挙げた個人や団体。
③  患者・治癒者を支える研究や活動などで顕著な貢献をした個人や団体などを対象としている。