2024年10月04日
お知らせ
【開催報告】2024年度がん征圧全国大会 埼玉大会「“彩の国さいたま”から羽ばたこう がん征圧の明日へ」テーマに開催
2024年度がん征圧全国大会埼玉大会が9月13日、さいたま市大宮区のソニックシティで開催されました。日本対がん協会と埼玉県健康づくり事業団(日本対がん協会埼玉県支部)の主催で、全国のグループ支部や行政・医療関係者ら約400人が一堂に会し、がん予防や科学的根拠に基づくがん検診の推進やがん患者支援などの対がん活動への思いを新たにしました。
埼玉県での全国大会開催は初めて。第57回となる今大会は「“彩(さい)の国さいたま”から羽ばたこう がん征圧の明日へ」をテーマに、前日行事のシンポジウムでは、対策型がん検診の新たな検査方法の導入に向けた課題などについて意見が交わされました。
金井理事長
垣添会長
大会当日は、埼玉県健康づくり事業団の金井忠男理事長が「1次予防と2次予防が進むことでがんは減少し、また、助かる病気と考えていい。がん征圧の運動は非常に重要です」と開会のことばを述べました。
続いて、主催者を代表して日本対がん協会の垣添忠生会長が「全国で一丸となり、全力を挙げてがん検診に取り組んできました。全国大会を契機として、がん征圧に向けて決意を新たに取り組みたい」とあいさつしました。
写真:日本対がん協会賞のみなさん。(左から)雨宮氏、池田氏、垣添会長、長田氏、久米川氏、滋賀県がん患者団体連絡協議会の菊井会長
表彰式では、日本対がん協会賞(個人の部、団体の部)と、その特別賞である朝日がん大賞の受賞者に表彰盾と副賞が贈られました。
日本対がん協会賞は、個人の部が雨宮クリニック(横浜市)院長の雨宮清氏(79)、鹿児島県民総合保健センター前理事長の池田琢哉氏(78)、山梨県健康管理事業団理事の長田忠孝氏(79)、香川県総合健診協会会長の久米川啓氏(70)の4人が受賞。いずれも地域でのがん予防やがん検診の推進、がん治療、患者支援などの業績が評価されました。
団体の部は、滋賀県がん患者団体連絡協議会(菊井津多子会長)が受賞。県内の5団体と個人で構成し、医療機関や職能団体、行政と協力して課題を明確化し、必要な方策を実施するなど、県民主導によるがん対策推進の原動力となっていることが評価されました。
写真:受賞の喜びどを語る中釜氏、右奥は中村会長
日本対がん協会賞の特別賞である朝日がん大賞には、国立がん研究センター理事長の中釜斉氏(68)が選ばれ、朝日新聞社の中村史郎会長から表彰盾と副賞100万円が贈られました。
国内で遺伝情報をもとに個人に適した医療を提供する「がんゲノム医療」が進む中、全ゲノム情報に基づく新たな治療薬の開発やがん予防への貢献が評価された中釜氏。約30年間にわたる研究を振り返りながら「ゲノムを解析することによって、日本人のがんの特徴、あるいは特徴的ながん要因が少しずつ見え始めています。こういう研究をさらに展開することによって、将来的に我々の取り組みの成果ががんの予防法、日本人におけるがんの特徴的な予防法であるとか、一人一人に合った個別化予防法に展開していくことを期待しながら、本賞を励みとして一層努力していきたいと思います」と抱負を語りました。
また、2024年度がん征圧スローガン「がん検診 あなたの暮らしの 習慣に」作者の髙橋奈津子さん(新潟県健康づくり財団)と、永年勤続表彰72人の代表として中村友理子さん(埼玉県健康づくり事業団)に対し、垣添会長から表彰状が手渡されました。
記念講演は、悪性リンパ腫のサバイバーで、フリーアナウンサーの笠井信輔さんが「闘病体験記~覚醒リンパ腫ステージ4からの寛解~」と題し、約4か月間にわたる激動の日々を振り返りました。死を覚悟するほどの絶望の中、家族や友人からの励まし、医療者とのかかわりから、それまで見えていなかったことの発見、気づきを語りました。
埼玉県アピールでは、地域ぐるみのがん患者支援とがん征圧に向けたチャリティ活動「リレー・フォー・ライフ・ジャパン」(RFLJ)の川越、さいたま、ところざわの3実行員会による「チーム彩の国」が活動を報告し、イベントへの参加も呼び掛けました。
最後に、2025年度がん征圧全国大会を開催する兵庫県健康財団(兵庫県支部)の長嶋達也理事長が多くの参加を呼び掛け閉会しました。