2025年11月13日

お知らせ

【リレー・フォー・ライフ・ジャパン】プロジェクト未来研究助成-2025年度助成対象者決定-

がん患者や家族ら支援者の夢の実現につながるような研究を支援する「リレー・フォー・ライフ・ジャパン(RFLJ)プロジェクト未来研究助成」の2025年度助成対象者が決定いたしました。
 
2025年度の助成対象者は、合計31名(分野Ⅰは22名、分野Ⅱは9名)。2025年度は助成総額が1000万円増えて3000万円となり、より多くの研究を支援できるようになりました。
 
■RFLJ「プロジェクト未来助成事業open_in_new」について
この助成事業は、がん患者・家族の支援と地域全体でがん征圧をめざして、全国各地のRFLJ実行委員会と日本対がん協会が開催するチャリティ活動リレー・フォー・ライフ(RFL)への寄付金を基に創設されました。将来の画期的ながん治療、がん患者のQOL(生活の質)の改善に役立つような基礎研究・臨床研究と、がん患者・家族のケアに関する研究が対象となります。
 
米国では、RFLの寄付金によるがん研究の結果、白血病などの新薬「グリベック」が開発され、多くの命が救われています。RFLJプロジェクト未来助成事業によって、近い将来、日本のがん医療にも大きな変化が起こることが期待されています。
 
2025年度に採択された助成対象の研究者やテーマ、助成額は次の通りです。
 

■RFLJ「プロジェクト未来」研究助成金 2025年助成対象者
分野Ⅰ(基礎研究・臨床研究)

(順不同、敬称略)

申請者名 所 属 申請テーマ 助成金額
谷内田 真一 大阪大学大学院 医学系研究科 「胃カメラしながら膵がん検診」の社会実装に関する研究 300万円
滝田 順子 京都大学大学院 医学研究科発達小児科 融合オミクス解析が拓く難治性神経芽腫治療の限界打破への挑戦 150万円
牧野 祐紀 大阪大学大学院 医学系研究科消化器内科学 膵癌超早期治療開発を目指した細胞外小胞と腫瘍組織の網羅的分子プロファイリングに基づく膵嚢胞性前癌病変の病態進展機構の解明 150万円
⼩林 綾 東京科学⼤学 難治疾患研究所 細胞動態学分野 腫瘍関連MUC1 を標的とするCAR T細胞療法およびフェロトーシス誘導併用療法の開発 100万円
畠山 鎮次 北海道大学大学院 医学研究院生化学分野医化学教室 高精度ユビキチン化基質同定法の開発による抗がん性PROTAC製剤の安全性 評価法の樹立 100万円
杉本 敦史 ⼤阪公⽴⼤学⼤学院 医学研究科 肝胆膵外科 膵癌微小環境における膵星細胞の脱活性化機構の解明 100万円
⾼橋 良太 東京⼤学医学部附属病院 消化器内科 膵臓癌免疫微小環境におけるVCAM-1の機能解明及び治療応用についての検討 100万円
渡辺 隆太 愛媛大学医学部附属病院 泌尿器科 日本人前立腺癌PDX・オルガノイドを用いたシングルセル解析による革新的ゲノム医療の実装 100万円
吉田 健一 国立がん研究センター 研究所がん進展研究分野 大規模ゲノム解析によるWilms腫瘍の病態解明および治療標的探索 100万円
栗本 遼太 千葉大学医学部附属病院 腫瘍内科 がん翻訳異常の鍵を握るmRNA修飾:不均一性の可視化と次世代標的治療への展開 100万円
杉山 栄里 国立がん研究センター東病院 呼吸器内科 TMB陰性肺がんに潜む免疫活性化サブタイプの探索 100万円
⼤⽊ 理恵⼦ 国⽴がん研究センター研究所 基礎腫瘍学ユニット YAP 依存性がんを標的としたReprimo ベース細胞外スイッチ型アポトーシス誘導治療法の開発 100万円
⽥中 愛 信州⼤学 医学部医学科 循環病態学教室 AM-RAMP2/3 システムの統合制御による革新的癌転移予防技術の確立 100万円
棗田 学 新潟大学 脳研究所 TP53変異を有する脈絡叢癌に対するP53安定化を図った新規治療法の開発 100万円
⼭下 聡 前橋工科大学 工学部 生命工学領域 がん種特異的 DNA メチル化による膵がん細胞の脆弱性 100万円
佐藤 卓 日本医科大学 医学研究科 代謝・栄養学分野 Drug-Tolerant Persister(DTP)を標的とした、がん再発制御戦略の確立 100万円
前濱 朝彦 昭和医科大学 医学部生化学講座 抗がん薬開発に向けたPTEN活性化戦略 100万円
守本 祐司 防衛医科大学校 生理学講座 有機EL で光を照射してがんを治療する、胆管用光線力学的治療カテーテルの開発 100万円
竹内 康人 金沢大学 がん進展制御研究所 分子病態研究分野 骨髄に形成される転移前ハブの新規概念に基づく乳がん転移機構の解明 100万円
林 周⽃ 東京科学⼤学 総合研究院 難治疾患研究所 計算システム⽣物学分野 in silico 解析と実験検証を融合した新規タンパク質設計法の開発、およびがん代謝酵素BCAT1を標的とした創薬への展開 100万円
大場 茂生 藤田医科大学 医学部 脳神経外科 神経膠腫におけるフェロトーシス誘導療法の開発 100万円
飯⽥ 直⼦ 国⽴がん研究センター東病院 医薬品開発推進部⾨ 医薬品開発推進部トランスレーショナルリサーチ⽀援室 スプライシング異常のアノテーション技術構築による創薬ターゲット探索支援基盤の開発 100万円

以上22名、第Ⅰ分野合計:2,500万円

 

分野Ⅱ(がんの支持療法、社会面に関する研究)

(順不同、敬称略)

申請者名 所 属 申請テーマ 助成金額
幅野 愛理 がん研究会有明病院 臨床遺伝医療部 RRSO後の性生活・更年期症状に配慮したQOL包括支援のための情報提供ツールの開発と評価 100万円
加藤 実穂 国立成育医療研究センター 小児がんセンター 小児がんデータ管理科 小児がん経験者の経済的課題に関する調査研究 50万円
松井 基浩 東京都立小児総合医療センター 血液・腫瘍科 LINE公式アカウントを用いたAYA世代がん患者への情報提供・情報ニーズ調査及びAYA世代がんレジストリの構築研究 50万円
加藤 芙美乃 藤⽥医科⼤学 医学部 先端ゲノム医療科 遺伝性腫瘍症候群における血縁者への情報共有の阻害・促進因子の解明と支援体制の構築 50万円
後藤 美賀子 国立成育医療研究センター 女性の健康総合センター妊娠と薬情報センター 妊娠期がんの診療と意思決定支援に向けた実態解明と医療者教育への展開― 全国相談データを活用したエビデンス創出 50万円
⼩林 ⼤祐 国⽴がん研究センター 東病院 リハビリテーション科 化学療法に伴う血液腫瘍患者の認知機能の変化に関する前向きコホート研究 50万円
城月 雅大 名古屋外国語大学・藤田医科大学 現代国際学部・社会看護実装創成研究センター 「『最期の旅』は処方できるか:がん終末期患者への観光的介入の臨床的可能性と課題」 50万円
末永 光邦 東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 臨床腫瘍学分野 がんサバイバーにおける倦怠感に対する運動の有用性を検討する観察研究 50万円
松浦 陽介 がん研究会有明病院 呼吸器センター外科 “納得できる選択”を支える肺がん治療支援プラットフォームの開発 -臨床・分子・主観情報を統合したShared Decision Making(SDM)の実装に向けて- 50万円

以上9名、第Ⅱ分野合計:500万円