2021年03月24日

お知らせ

2020年の受診者30%減、約2100のがん未発見の可能性 日本対がん協会32支部調査

公益財団法人日本対がん協会(会長:垣添忠生・元国立がんセンター総長)は、新型コロナウイルス感染症の流行でがん検診の受診者が減少している実態を把握するため、全国のグループ支部の協力を得て2020年(1月~12月)の受診者数を調査しました。回答があった32支部が2020年に実施した5つのがん検診(胃、肺、大腸、乳、子宮頸)の受診者はのべ394万1491人で、2019年の567万796人から172万9305人減少し、対前年比30.5%の大幅減となっていました。
コロナ流行下でも、がんは変わらず発生していると考えられます。減少した受診者数に2018年度の各がん発見率を掛けて推計すると、計約2100のがんが未発見となっている可能性があります。日本対がん協会グループ以外のがん検診や、別の病気の治療中に偶然発見されるがんなども合わせれば、2020年の日本では少なく見積もっても1万人以上のがんが未発見となっていることが懸念されます。
がん検診の受診を見送っているうちに未発見のがんが進行がんとなり、治療の選択肢を狭めてしまいかねないことも重大な問題です。各検診(健診)機関は国のガイドラインにのっとった感染防止対策を徹底しています。ぜひ、定期的ながん検診の受診をお願いします。 日本対がん協会は今回の調査結果をメディアに提供して広く受診を呼びかけるとともに、各支部や関係機関と協力して「3密」を避ける予約システムの普及、効果的な受診勧奨(がん検診アクセシビリティー向上)の研究を進めてまいります。