2020年12月24日

お知らせ

「血液検査による乳がん検診」の開発めざす研究
日本対がん協会4支部が3000人対象の大規模臨床試験に協力

国立がん研究センターは、血液検査で簡便・高精度に乳がんを早期発見する検査方法の開発をめざし、3000人を対象とした大規模な臨床試験を2020年12月から愛媛、鹿児島、北海道、福井の4道県で順次始めると発表しました。検査は、がんなどの疾患に伴って種類や量が変動することが明らかになっている血液中のマイクロRNAを測定するものです。血液検体の採取は4道県の日本対がん協会支部(愛媛県総合保健協会、鹿児島県民総合保健センター、北海道対がん協会、福井県健康管理協会)が協力します。
血液中のマイクロRNAによるがん早期発見は現在、13種類のがんを対象に基礎研究が行われています。実現すればX線検査での被ばく、マンモグラフィー検査時の痛みといった受診者の負担を減らすメリットがありますが、その精度に関する十分な検証はまだ行われていません。今回、検出方法の開発が先行している乳がんを対象に、実際のがん検診に応用できるかを検証する大規模臨床試験を初めて実施することになりました。
臨床試験の期間は2022年3月まで。4道県の支部で乳がん検診を受けた人に協力を求めて血液を採取し、乳がんに関連するマイクロRNAを測定し、その結果を実際の乳がん検診で実施されるマンモグラフィーや乳腺エコー検査の結果などと比較分析して実用性を検証します。
(了)

 
※12月21日(月)FNNプライムオンラインでも紹介していただきました。
「“痛くない乳がん検診”目指し 血液で早期発見 3年後にも」
https://www.fnn.jp/articles/-/122468