ジャパンキャンサー
サバイバーズデイ2024
がんと診断された方への
最初の処方箋
―わたしらしく生きるために―
イベントレポート
2024年6月2日(日)、がん患者・家族が必要な支援を受けられるように情報を提供するイベント「ジャパンキャンサーサバイバーズデイ(JCSD)2024」が国立がん研究センター築地キャンパス(東京都中央区)にて開催されました。 今年はテーマを「がんと診断された方への最初の処方箋―わたしらしく生きるために―」とし、医師や社会福祉士によるテーマに沿った4講演に加え、22の支援団体・企業が会場にブースを出展しました。参加型の企画展示、対面による個別相談などリアル開催ならではの内容となり、来場者は376名にのぼりました。 がんサバイバーご本人だけでなく、ご夫婦やお子様連れのご家族、ご友人ら周囲のケアギバーの方々とご来場いただく方が多かったのも今年の特徴です。
ここでは、大盛況のうちに幕を閉じたJCSD2024を振り返ります。当日参加できなかった方は、各講演のアーカイブ動画もぜひご覧ください。
目次
- 開会挨拶:日本対がん協会 会長 垣添忠生
- 講演1: がんになっても人生は続く~「わたしらしく」生きるためのヒント 高橋 都 先生
- 講演2: 大切な人ががんになった時の心との向き合い方 坂本 はと恵 氏
- 講演3: あなたがこれから受けるがん治療について 片山 宏先生
- 講演4: がんと診断された時 家族・患者と医療者の相互コミュニケーション、患者力について 守田 亮先生
- 大盛況!出会いの場としてのブース出展(スライドショー)
- がん相談ホットラインに届く声
- がんになったあなたへ メッセージツリー
- みんなでつくろう!入院時の持ち物リスト@2024年版
- 来場者からの感想(アンケート結果)
- イベント開催報告
- 1. 開会挨拶:日本対がん協会 会長 垣添忠生
- 2. 【講演1】がんになっても人生は続く~「わたしらしく」生きるためのヒント 高橋 都 先生
- 3. 【講演2】大切な人ががんになった時の心との向き合い方 坂本 はと恵 氏
- 4. 【講演3】あなたがこれから受けるがん治療について 片山 宏 先生
- 5. 【講演4】がんと診断された時 家族・患者と医療者の相互コミュニケーション、患者力について 守田 亮 先生
- 6. 大盛況!出会いの場としてのブース出展(スライドショー)
- 7. がん相談ホットラインに届く声
- 8. がんになったあなたへ メッセージツリー
- 9. みんなでつくろう!入院時の持ち物リスト@2024年版
- 10. 来場者からの感想(アンケート結果)
- 11. イベント開催報告

「今年のテーマは、『がんと診断された方への最初の処方箋』です。がんは治る病気になってきましたが、依然として世の中の理解は“がん=死”のイメージです。でも、“がんは誰もが罹る可能性のある普通の病気の一つ”とのイメージに変われば、今よりずっと暮らしやすくなるはずです。がんと診断された方の多くが『頭の中が真っ白になる』と言いますが、そういう状況の中で、どう情報を集め、どう行動するかが非常に重要になります。本日のイベントがその最初の処方箋になればと思います」と挨拶しました。
【講演1】では、「がんになっても人生は続く~「わたしらしく」生きるためのヒント」と題しNPO法人日本がんサバイバーシップネットワーク代表理事の高橋都 医師(写真)が、がんサバイバーシップについて語りました。

高橋都先生は、病気体験をハンググライダーに例え、病状や治療など思うようにならないことがあっても、風を受けてうまく飛ぶことはできると言い、がんと向き合いながら生きていくには、無理をせず、嫌なことは避けるなど自分の気持ちに正直になることが大事だと話しました。また、病気と向き合うには時間も必要で、家族ががんと診断されても慌てず、徐々に状況に慣れることも大切だとしました。
【講演2】では、「大切な人ががんになった時の心との向き合い方」と題し国立がん研究センター東病院 サポーティブケアセンター/がん相談支援センター 副サポーティブケアセンター長 社会福祉士の坂本はと恵氏(写真)が、全国のがん診療連携拠点病院にあるがん相談支援センターを紹介しました。

坂本はと恵氏は、がん相談支援センターについて患者・家族だけでなく誰でも利用でき、患者と医療者との橋渡し役になると説明。また、がんに関する信頼できる情報を提供するとともに、相談者の話を聴く中で気づきや見落としの確認を促し、自らが課題を解決できるよう支援をする場所と紹介しました。
【講演3】では、「あなたがこれから受けるがん治療について」と題し、国立がん研究センター中央病院 臨床研究支援部門 研究企画推進部 多施設研究支援室 室長/JCOG運営事務局長片山宏 医師(写真)が、治療薬の成り立ち、標準治療、臨床試験や治験について詳しく説明するとともに、がん情報の見極め方を話しました。

片山宏先生からは、がん治療は手術、放射線治療、薬物療法の3つがあり、多くの標準治療はこれらが組み合わされている。薬物や標準治療が認められるまでには長い年月がかかるが、前段となる臨床試験や治験ではさまざまな患者が参加できる。あわせて、がん情報の見極め方の助言もしました。
【講演4】では、秋田厚生医療センター 呼吸器内科長の守田 亮 医師(写真)が「がんと診断された時 家族・患者と医療者の相互コミュニケーション、患者力について」と題して話しました。

守田亮先生は、がん告知直後は冷静さを失い、さまざまな情報に振り回され、医療者とうまくコミュニケーションできないことが多いことを自身の経験も交えて説明。治療を受けながら自分らしく生きていくには「患者力」が必要であり、情報を見極める力を養い、「伴走者」である医療者へ自分の希望や価値観を伝えられるようになることが大切だと話しました。

今年は、がんサバイバーご本人だけでなくご夫婦やお子様連れのご家族、またご友人などの周囲のケアギバーの方々とご来場いただく方が多くいらっしゃいました。
会場には、がんと診断されたばかりの患者・ご家族向けのサポート活動をされている団体を中心に22の患者会・支援団体や企業がブース出展しました。また、今年は初の個別相談ブースを2つ設置し、落ち着いた環境下で、4つの支援団体が来場者の困りごとや悩みの個別相談を行いました。

日本対がん協会が行う患者・家族支援の1つ「がん相談ホットライン」の活動をパネル展示しました。がんになると、治療や副作用のことだけではなく、お金や仕事のこと、人間関係のことなど、様々な不安や心配事が出てきます。日本対がん協会が運営する無料電話相談「がん相談ホットライン」に届く声を、パネル展示でご紹介しました。
詳しくはこちらをご覧ください。


会場では、これからがん治療に臨む方や、今まさにがん治療中の方へ向けたメッセージが書かれた花びらを貼ってツリーを作り上げある参加型企画を行いました。
花びらのメッセージは事前にインターネット上で集めたものと、当日会場で書き込んでいただいた花びらを合わせ貼っていきました。

花びらには、「ひとりじゃないよ」 「すべての方にありがとう」「周囲に頼っていいよ!」 「きちんとした情報を得てください」など寄り添いや応援する言葉がありました。
さまざまな花で満開となったメッセージツリーはフォトコーナーにもなりました。

がんサバイバー・クラブの人気コラム「木口マリのがんのココロ」とのコラボ企画。
事前アンケートで、入院治療時に持って行って良かった持ち物や、工夫を教えていただき会場で展示。当日、参加したみなさんにも、それぞれの経験で役立ったものや「このアイデアいいかも!」と思うものに投票していただきました。これから入院される方には、是非この特製の入院持ち物リストを役立てて頂けたら嬉しいです。

詳しいレポートは、がんサバイバー・クラブ公式サイトをご覧ください。
連載:木口マリの「がんのココロ」
新・“教科書”にない入院持ち物リスト @2024年版 〜みんなの投票 TOP 10!〜(前編)
新・“教科書”にない入院持ち物リスト @2024年版 (後編)
※医療機関によって持ち込み不可の場合もあります。事前に入院する医療機関にご確認ください。
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