がん征圧運動(重点目標)

がん征圧運動(重点目標)

 日本対がん協会は「21世紀のがん征圧運動」の重点目標として、次の3目標を掲げる。

この目標を推進するため、数値目標の設定など具体的運動内容を早急に策定する。

喫煙を減らすことは、がんの予防に直結する。

10年後の喫煙人口の半減を目指して、たばこの健康に対する害を広く訴える。

禁煙とともに、若年層の喫煙防止を呼びかけ、青少年の喫煙ゼロを実現させたい。とくに、こどもへの影響が大きい女性の禁煙を強く訴えたい。

精度の高いがん検診の普及と、受診者を増やすことが、がんの死亡率減少につながる。「がんで命を落とす一番のハイ・リスク層は、検診を受けない人たちである」ともいわれる。

乳がん検診へのマンモグラフィ(乳房X線撮影)検査の普及や、必要に応じ肺がん検診へX線CTを利用するなど、技術革新の成果を取り入れて検診の充実に努め、受診者数の増加を図る。

患者や治癒者が、健康で豊かな生活を享受できるような社会が必要である。
高齢化社会の到来により、がん罹患者数は増えるが、医療技術の進歩や早期発見・早期治療の効果で治癒者も増えている。生存率の向上、QOL(quality of life、生活の質)の改善とともに、患者・治癒者の生きがいにも目を向けたい。がん経験者とともに、がんが「死の病」ではなく、立ち向かって生きる病であることを、強く訴える。
このページのトップへ 「21世紀のがん征圧運動」(通称・21世紀の指針)は、20世紀から21世紀に向かおうとする時代の節目に、がん征圧活動にかかわる人達の総意をまとめる形で策定された。がんを取り巻く環境が激変する中で、がん予防活動に携わる人達が自らの進路や目標を求め、時代の要請に応えようとしたものである。

この種の作業は、特別のプロジェクト組織で検討・策定されるケースが多いが、今回は組織の常設機関での論議を重ねながら、本部事務局がまとめ役を務めた。また、本部事務局では関係各界有識者からも意見を求めて、起草の参考にした。「指針」策定の主な経緯は次の通り。

2000年 1月~2月 日本対がん協会全国支部事務局長に全員アンケート実施
3月9日 同広報委員会(当時)で総括論議
3月21日 同ブロック代表委員会(当時)で総括論議
3月28日 同理事会・評議員会で「策定方針」を了承
3月29日 厚生省がん研究助成金指定「本邦におけるがん医療の適正化に関する研究班」(班長=山口建・国立がんセンター研究所副所長)セミナーに参加(4回)
5月31日 日本対がん協会理事会・評議員会で「指針骨子」を論議
6月16日 同全国事務局長会議で「指針骨子」を論議
7月31日 同理事会で「指針案」を論議、了承
8月31日 同案を全国支部事務局長に示し、最終案まとまる
9月21日 全国支部総会に提示、了承
9月22日 平成12年度がん征圧全国大会で公表