検診の意義と目的

肺がんは、日本人のがんによる死亡数のトップを続けています。
しかし、症状の出ないうちに検診を受診し、早期のうちに治療すれば約8割が治るようになりました。

1.肺がん検診の意義と目的

肺がんは早期発見し治療すれば約8割が治るようになりました

肺がんの一次検診では、問診と肺X線検査、またタバコを多く吸うハイリスクの人に対する肺X線検査と喀痰細胞診の併用、およびハイリスクでない人への肺X線検査だけが科学的に有効であると証明された方法です。
肺がんの予後(治療の経過具合)はあまりよくありませんでしたが、治療技術が進歩し、早期のうちに発見して治療すれば約8割が治るようになりました。無症状のうちに検診を受診した人では、早期の肺がんが発見される可能性が高いことが知られています。

肺がんの臨床病期別5年生存率

上表にあるように、がんが発見できても臨床病期(進展度、ステージ)が進んでいる状態で見つかった場合は、それだけ5年生存率が下がってしまいます。そのためにも、早期がんのうちに発見して治療することが重要になります。

2.肺がん検診の現状

肺がん二次検診を受ける必要のある人、がんが見つかる人の割合

日本対がん協会が2016年に全国の支部で行った肺がん検診の結果では、受診者数は334万8270人、うち精密検査が必要と判定された人(要精検者)は6万6299人(要精検率1.98%)、この中で精密検査を実際に受診した人(精検受診者)は5万2727人(精検受診率79.53%)。この検診を通してがんを発見された人の数は1548人、その割合は0.05%でした。

肺がん検診を1万人が受診すると、198人が「異常あり」と判定され、精密検査(二次検診)を受けるように勧められます。精密検査を受けた人は157人でした。そして、158人の中から5人に肺がんが発見されたという割合になります。

3.科学的根拠に基づいた肺がん検診の方法

国の指針では、肺がんの一次検診は一般的に「肺X線検査」、50歳以上で喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が600以上、もしくは40歳以上で6ヵ月以内に血痰のあったハイリスクの人には「肺X線検査と喀痰細胞診の併用」が勧められ、そして「低線量CT」などが行われています。

実施体制別肺がん検診の推奨レベル

しかし、「有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン」(2006年)では、「対象とする集団の肺がんによる死亡率を減少させる」という肺がん検診の目的に合致すると科学的に証明され、「実施することをすすめる」と判定されたのは「肺X線検査」とハイリスクな人に対する「肺X線検査と喀痰細胞診の併用」だけです。