神奈川県大磯町立国府中学校・大磯中学校

2016.02.23

講師:三船剛由先生

人数:3年生 140名

 2月23日と3月3日に神奈川県大磯町の中学校2校で、がん教育の授業が実施された。今回の授業は大磯町スポーツ健康課が企画して日本対がん協会が協力した。2月23日の国府中学校の授業に同行した。
 高台に建つ緑に囲まれた国府中学校の生徒たちは、隣接の幼稚園から一緒に育ってきた地元の子どもたちが多い。今回の対象生徒は3年生全員の約140人で、2クラス70人ずつ2回に分けて授業を実施した。
 当日の授業は、がんの基礎知識や、がんを防ぐ生活習慣などを大磯町スポーツ健康課健康増進係で保健師の豊泉貴也さんが解説し、がんになった時の体験や感じたことをがん体験者で元朝日新聞記者の三船剛由さんが話すという2部構成。豊泉さんはがん細胞の増殖や細胞のミスコピーの様子を、ガンダムの写真や漫画なども取り入れて中学生にもとっつきやすいように工夫した手作りのスライドを使って説明。生徒が卒業間近とあって、自身が保健師になるまでの経緯なども織り交ぜたお兄さんのような語り口に、笑い声が絶えない授業となった。
 三船さんは朝日新聞記者時代、体力に絶対の自信を持っていて不摂生を続けていたこと、最も激務だった30代の若さでがんにかかった時の衝撃、入院中の落ち込む心を仲間たちの励ましの言葉が救ってくれたこと、などを静かな語り口で話した。そんな辛い体験をしながらも、「あのままの生活を続けていたら、いつか破たんしていた。自分の生き方を変えるきっかけになったし、すばらしい仲間たちとの出会いがあった。私はがんにかかって良かったと思っているんです」と話すと、生徒たちも真剣に聞き入っていた。同様の構成の授業が3月3日に大磯中学校でも実施された。