葛飾商業高校 定時制で出張授業/東京都葛飾区

2023.7.12

講師:堀均さん

人数:50人

日本対がん協会は7月12日、東京都葛飾区の都立葛飾商業高校定時制(小川孝校長)が実施した保健講演会(がん教育)に協力しました。がんサバイバー・クラブスタッフの堀均さん(71)が外部講師として講演し、生徒や教師約50人を前に、がんに関する基礎知識、自身の闘病体験を通じて命の大切さ、がん検診の重要性を伝えました。

堀さんは48歳だった2000年6月、勤務先の会社の健康診断をきっかけに、肺がんと診断されました。放射線治療を受けた後、2回の外科手術で肺の一部を切除。その後、地域全体でがんと向き合い、患者・家族を支えるとともに、新薬開発などでがん征圧をめざすチャリティ活動「リレー・フォー・ライフ」に参加してきました。

授業では、がんは体の細胞が新陳代謝を繰り返す中で、免疫機能がうまく働かずに傷ついた細胞が増えてしまうことなどが原因であり、誰でも起こり得ると説明。がん発症のリスクを高める要因には喫煙や生活習慣、ウイルス感染などがあり、禁煙や食生活の改善、ワクチン接種などが有効だと説明しました。

がん発症には受動喫煙も影響します。喫煙者だった堀さんは、肺がん発症後、家族への影響を心配したと振り返りました。また、がん治療に伴い、家族を経済的にも不安な気持ちにさせてしまったといい、早期発見は経済的にも負担を軽くできることから、がん検診の受診を呼びかけました。
体に異変を感じたら、病院で受診することも奨めました。そのうえで、「がんは正しく知れば怖くない病気。もしも身近にがん患者の方がいたら、寄り添って声をかけてほしい」と話しました。

講演後、生徒の一人から「受動喫煙を避ける方法は」との質問を受け、堀さんは「この授業で知ったことを説明してもいい。勇気を出して、喫煙者へ『吸わないでほしい』と伝えてほしい」と話しました。