東京都東大和市立第五中学校

2015.10.10

講師:松田陽子さん

人数:全校生徒 260名

 東京都東大和市の東大和市立 第五中学校で10月10日、日本対がん協会の協力で道徳授業地区公開講座「命を考える教室+がん教育」が開催された。
 当日は特別支援学級を含む全クラスでまず道徳の授業で各担任ががんについて教え、その後シンガー・ソングライターでがん経験者の松田陽子さんの講演会を聴くという2時限構成。
 各クラスでは学年毎の学習指導要領に沿った各種教材の中から担任が教材を選び、工夫を凝らした授業を行った。中にはタレントの北斗晶さんが自身の乳がん手術のことを公開したときのブログの文章を教材にするクラスもあった。
 続いて生徒約260人と保護者が体育館に集まり、松田さんの講演会を聴講した。松田さんは若くして子宮頸がんになり、うつ病も併発した経験を持つ。その苦しみを克服して今は国連UNHCR広報委員として世界の難民支援や児童虐待防止、自身の経験を生かした子宮頸がん検診の啓発活動などに飛び回っている。
 松田さんが自身の生い立ちや、がんにかかりつらかった日々を語る言葉は説得力があり、スリムな体に似合わないパワーと気さくな語り口ですぐに子どもたちの心をとらえた。 講演会の後は30名以上の保護者が車座になって意見交換会を行った。中にはがんを経験した人もいて、ふだん言えないつらさを涙ながらに語る場面もあった。
 同校も以前は荒れていた時期があり、山本武校長は「外の空気を入れ、注目されることで生徒たちに自信を持たせたくて、着任以来さまざまなイベントや活動を積極的に実施してきました」と話す。今回の公開講座でも、みずから教材を作成する熱心さだった。