意見交換会:富山会場

みんなで富山のがん相談を考えよう

 
実施レポートはこちらをご覧ください(PDF)
 

日時 2015年1月28日(水) 13:00〜15:45
場所 富山県総合福祉会館(サンシップとやま) 研修室 602・603・604
参加 73名
参加費 無料
委員 天野慎介、若尾文彦、岸田徹、小嶋修一、前川育

内容

趣旨説明 天野慎介
(一般社団法人 グループ・ネクサス・ジャパン 理事長
「がんと診断された時からの相談支援検討委員会」委員長)
「みんなで富山のがん相談を考える-開催にあたって-」
基調講演 若尾文彦
(国立がん研究センターがん対策情報センター長
「がんと診断された時からの相談支援検討委員会」副委員長)
「がん情報提供とがん相談の現状と課題」
活動紹介 川津鉄三
(富山県厚生部健康課 がん対策推進班長)
「富山県のがんの現状と取り組み」
活動紹介 酒井裕美
(富山県立中央病院 上席看護師長)
「都道府県がん診療連携拠点病院の活動紹介」
活動紹介 内上ミワ子
(富山県がん総合相談支援センター 統括相談員)
「がん総合相談支援センターの活動状況 現状と課題」
活動紹介 小池真実子
(がん経験者)
グループディスカッション ワークシートを使用。まず表に自分の立場、関心のあるテーマ、その理由を記入。次に裏面に、現在問題だと思うこと、その解決策を記入。各テーブルで進行役と書記を決め、各自の個人用シートの内容を話し合うことによって、グループ用ワークシートにグループとして取り上げる問題と解決策をまとめ、提出。
休憩
パネルディスカッション 座長:天野委員長
1.グループディスカッションの結果発表
2.グループディスカッションのテーマに基づいて、パネラーの意見交換
3.まとめ
閉場

 
 


 

◆「みんなで富山のがん相談を考えよう」

 公益財団法人日本対がん協会は平成27年1月28日に富山市の富山県総合福祉会館(サンシップとやま)で「みんなで富山のがん相談を考えよう」という意見交換会を開催しました。対がん協会が厚生労働省から委託を受けた「がんと診断された時からの相談支援事業」の取り組みの一つで、がん患者や家族の方々が抱く悩みにこたえるには、どのような仕組みが必要かを検討するのが目的でした。
 がん患者・家族の方々はじめ、病院などでがん相談に携わっている方々、行政の方々ら様々な立場の方々73人が参加し、日ごろ感じている悩みや、それぞれが思い描く解決への道筋などが熱心に話し合われました。
 意見交換会は、同事業を進めるにあたり対がん協会が、がん相談の仕組みづくりを牽引されてきた専門家らに委嘱して設けた「がんと診断された時からの相談支援検討委員会」のメンバーが主導して進められました。
 
 まず、天野さんが自身のがん体験をまじえながら意見交換会開催の趣旨を説明したのに続いて若尾さんが「がん情報提供とがん相談の現状と課題」と題して基調講演。その後、地元・富山の4人の方々から、それぞれの活動が紹介されました。
 川津さんは、8つのがん診療連携拠点病院で質の高いがん医療を提供するを目指す中でがん相談の拡充を図っていることを紹介。その連携を図ることなどを目的にした「富山県がん総合相談支援センター」を、病院以外で県民の方々からのアクセスの良い場所である「サンシップとやま」に設置した経緯などを説明しました。
 酒井さんは、やさしさ、信頼、安心をモットーに、富山県立中央病院で実施している相談について具体的に紹介。内上さんは、病院と離れた立場で、どんな相談を受けても必ずつなぐという強いメッセージを発信しました。小池さんは、同センターが力を入れるピアサポーター活動のいわば「代表」。がん体験者ならではの熱のこもった深い語りかけに、参加者全員が耳を傾けました。
 
 グループディスカッションは、参加者全員が積極的に発言できるように、と企画したプログラム。5、6人ずつ12のテーブルに分かれた参加者は、同委員会の委員の岸田さん、小嶋さん、前川さんのファシリテーションを受けながら、それぞれの立場から体験やがん相談への期待などを話し合い、課題や解決への道筋を、各人に渡された用紙に記入。それをもとに討論しながらテーブルごとの意見が集約されました。
 
 全体討議であるパネルディスカッションは、座長の天野さんが、ホワイトボードに貼られた各テーブルの意見を読み上げて始まりました。参加者の意見は幅広く、がん相談をめぐり様々な課題が浮き彫りになりました。
 
 中でも、がん患者・家族の方々が直面した問題について何でも相談できることが知られていないとの指摘が多く見られました。その解決策の一つとして、告知の時に医療者がそれぞれの地域での相談窓口を紹介したカードを手渡し、説明することが始まっていると紹介されました。ピアサポーターの養成と、活動場所の拡充についての意見も多く、必要な時に必要なことを必要としている人に届けられる仕組みの整備も、課題として挙げられました。病院は暗く悲しい場所ではなく、完治に向かって治療していく明るい希望に満ちた場所であってほしいと願う小池さんの言葉に多くの人がうなずいて、富山での意見交換会は閉会となりました。
 
 


天野慎介さん

酒井裕美さん

前川育さん


若尾文彦さん

内上ミワ子さん

岸田徹さん

グループディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

川津鉄三さん

小池真実子さん

小嶋修一さん