意見交換会:宮城会場

みんなで宮城のがん相談を考えよう

 
実施レポートはこちらをご覧ください(PDF)
 

日時 2015年2月3日(水) 13:00〜15:40
場所 宮城県仙台サンプラザ
参加 38名
委員 天野慎介、若尾文彦、岸田徹、深野百合子、高山智子

内容

趣旨説明 天野慎介
(一般社団法人 グループ・ネクサス・ジャパン 理事長
「がんと診断された時からの相談支援検討委員会」委員長)
「みんなで宮城のがん相談を考えよう-開催にあたって-」
基調講演 若尾文彦
(国立がん研究センターがん対策情報センター長
「がんと診断された時からの相談支援検討委員会」副委員長)
「がん情報提供とがん相談の現状と課題」
活動紹介 真溪淳子
(東北大学病院がんセンター先進包括的がん医療推進室)
「がん相談支援センターの広報活動とがん情報の地域発信について」
活動紹介 田村久美子
(宮城県がん総合支援センター 相談員)
 「宮城県がん総合支援センターにおける相談支援」
活動紹介 針生一恵
(がん経験者)
グループディスカッション ワークシートを使用。まず表に自分の立場、関心のあるテーマ、その理由を記入。次に裏面に、現在問題だと思うこと、その解決策を記入。各テーブルで進行役と書記を決め、各自の個人用シートの内容を話し合うことによって、グループ用ワークシートにグループとして取り上げる問題と解決策をまとめ、提出。
休憩
パネルディスカッション 座長:天野委員長
1.グループディスカッションの結果発表
2.グループディスカッションのテーマに基づいて、パネラーの意見交換
3.まとめ
閉場

 
 


 

◆「みんなで宮城のがん相談を考えよう」

 日本対がん協会は、富山市での開催に続く意見交換会を2月3日に仙台市の仙台サンプラザで開きました。タイトルは「みんなで宮城のがん相談を考えよう」。富山と同様に、がん患者や家族の方々が直面する悩みにこたえるには、どのような仕組みが必要かを検討するのが目的でした。
 
 患者・家族の方々の悩みに対応する仕組みや人材は、地域によって異なります。悩みにも、とくに就労などに関しては、地域による違いがあるでしょう。富山、仙台と、地域で開催したのには、地域の実情に応じた仕組みを考えよう、という狙いがありました。
 仙台での意見交換会には、がん患者・家族の方々はじめ、病院などでがん相談に携わっている方々、行政の方々ら38人が参加。富山と同じく、「がんと診断された時からの相談支援検討委員会」のメンバーの主導でグループディスカッションやパネルディスカッションを行い、日ごろどのような悩みに直面し、どのような対応策が望まれるのか、活発に議論しました。
 
 意見交換会の冒頭、天野さんが自身のがん体験をふまえて開催の趣旨を説明。若尾さんの「がん情報提供とがん相談の現状と課題」と題した基調講演では、都道府県がん診療連携拠点病院が2つある4都道府県の1つが宮城県であることなど、宮城のがん診療体制についても触れられました。
 宮城県の特徴に、東北大学病院がんセンターの先進包括的がん医療推進室があります。そこでがん情報の提供に携わる真渓さんは、「がん情報みやぎ」というポータルサイトの立ちあげ、運営の苦労話や広報について紹介。宮城県がん総合支援センターの田村さんは、診断、治療、退院後といったそれぞれの時期に応じた患者・家族の方々の悩みへの対応、さらには家族のグリーフケアなど、実際の対応を例示しながら、日々の活動を報告しました。針生さんは、自身の乳がん体験の中で家族へのケアの大切さを指摘しました。
 
 参加者が7つのテーブルに分かれたグループディスカッションでは、同委員会の委員の岸田さん、深野さん、同委員会ワーキンググループ委員長の高山さんの助言の下で討論が展開され、全体討議であるパネルディスカッションに進みました。
 
 仙台での意見交換会でも大きなテーマとなったのが、相談窓口の周知・広報のあり方でした。意見交換会を最初から傍聴した宮城県対がん協会の久道茂会長が、がん告知時に相談支援センターなどの相談窓口の存在を知らせることは、「各病院の院長先生がその気になれば絶対にできる」と話すと参加者から拍手が上がりました。久道さんは、自身も週に1回、患者や家族の方々からの相談を受けている体験に触れながら、「退職したお医者さんに協力してもらうことも考えたら良い」と参加者全員にアドバイスされました。
 
 


天野慎介さん

田村久美子さん

深野百合子さん

若尾文彦さん

針生一恵さん

高山智子さん

グループディスカッションの様子

真溪淳子さん

久道茂さん

中央:岸田徹さん

パネルディスカッションの様子