2020​.03​.19​
このメールは、日本対がん協会が開催するピンクリボンフェスティバルに参加したことのある方、ほほえみ基金にご支援いただいている方にのみお届けしています。
ピンクリボンスマイルウオークに企業からボランティアとして参加してくださった、朝日生命保険相互会社のチャウ・ミン・タオさん(右)と、CSR推進課長の長野貴子さん(左)。今回はお二人に当日の様子や企業での取り組みについてお話をうかがいました。
チャウさんと長野さん
まず、チャウ・ミン・タオさん自身についてお聞かせください
チャウ・ミン・タオさん(以下タオ):初めまして、タオと申します。出身はベトナムです。現在、朝日生命保険相互会社の海外事業戦略室で働いています。2016年に日本の大学院へ留学するために来日しました。日本の文化も料理も好きなので、長く日本に住みたいです。そして、日本の皆さんにベトナム文化や料理などを紹介して、日本とベトナムの架け橋となることを目指しています。
なぜボランティアに参加しようと思ったのか、社員としてボランティアに参加するようになったきっかけを教えてください
タオ:ボランティア活動に参加する理由は、人々を助け、社会に貢献できる多くの有意義な活動に参加したいからです。 ボランティア活動をしているときは、多くの人々に会うことができ、彼らと幸せをシェアできるからです。
もともと、私はボランティア活動に興味がありました。職場でピンクリボンフェスティバルのスタッフ募集メールを見たとき、フィリピンの同僚を誘って一緒に参加を申し込みました。 幸いなことに、CSR部門は私たちが参加できると言ってくれ、多くの外国人が住んで働いている六本木でフェスティバルが開催されるため、外国人参加者とコミュニケーションをとることができるので助かると言ってくれました。 2018年と2019年の2年間でこの有意義な活動に参加できたことを光栄に思います。
実際に外国人参加者とコミュニケーションはありましたか
タオ:私は受付係として参加者にゼッケンと水を配っていました。すると、アメリカ人のカップルが、「何のフェスティバルですか?」と聞いてきました。私は、乳がんについての知識を深く学べるし、マーケットでブースもあるので、ぜひ参加してくださいと説明しました。彼女はいいイベントだからご主人と参加したがりましたが、ご主人は面倒くさがっていました。私は、「面倒くさくないです。奥さんのために参加してください」と言いました。近所に住んでいたらしく、すぐに着替えてきて3kmコースに参加してくれました。
当日のボランティアの様子
当日のボランティア活動の様子。中央がタオさん
参加して印象に残ったことは何ですか
タオ:ピンクリボンフェスティバルの印象はとても良いです。乳がん患者を支援し、女性の乳がんの早期発見にはヘルスチェックが重要だと伝えるために歩きます。丸一日参加しましたが、人々の笑顔と歩く意欲を見ることができたので、疲れるどころか興奮しました。 特に、ウォーカーをゴールでお迎えするとき、私と同僚は彼らの努力に対する感謝を表明し、その瞬間を応援するために「おつかれさま!おめでとうございます!」と言い続けました。忘れられない思い出です。
参加してみて、心境の変化はありましたか
タオ:2018年にピンクリボンフェスティバルに初めて参加した際、このイベントは非常に有意義なものだったので、私はとても興奮し、幸せを感じました。 そのため、2019年に再度参加登録しました。 この活動に参加することで、私は人々を助けるだけでなく、自分の人生の幸福を見つけるのにも役立つとわかりました。 今では、乳がんの知識と乳がんから自身を守る方法について、周りの人へ啓蒙しています。
ベトナムでピンクリボンの活動はありますか
タオ:ベトナムではウォーキングや、自然環境を守るためにサイクリングする活動があります。ピンクリボンの活動があるかは私は知りませんが、女性のための活動は多いです。ベトナムでも東京のような都市部でイベントはありますが、田舎の地域ではありません。
ベトナムでのがん検診はどのように受けるのですか
タオ:ベトナムでもヘルスチェックはあります。私の家では1年に1回、家族でがん検診に行きます。お父さんの会社から受けてくださいと案内をもらいます。お父さんの検診料は出してもらえます。お母さんの健康の為、私はお母さんを健康診断に連れて行きました。でも、これは職場によって異なると思います。
ベトナムで乳がんについてはみなさんそんなに詳しくないです。がんは怖い病気ではあるけれど、すぐに発生する病気ではないので、そんなに気にしていません。一番気にすることは風邪などすぐに発生するもので、がんはすぐに発生しないので、気にしていません。がん=死というイメージはあり、早期発見・早期治療ということは普及していないです。でも、この考えはこれから変わっていくと思います。収入も増えてきています。自分の健康と家族の健康も気にするようになってきています。
タオさん自身が今取り組んでいること、または今後取り組んでみたいと思っていることはありますか
タオ:今後も、このように有意義な活動へ参加していきたいと思います。 ここでは、ボランティア活動を組織する方法について詳しく知ることができます。 その後、この経験を生かし、ベトナム側と連絡を取り、故郷でこのようなボランティアを組織したいと思います。日本の同僚や友人を招待したいと思います。 日本とベトナムをより密接に結びつけ、助けを必要とする日本人とベトナム人の両方をサポートしたいと考えています。
次に、企業としてピンクリボン活動は、どのようなことをしているのかをお聞かせください
長野貴子さん(以下長野):弊社は社員の約85%が女性でもあり、「乳がんで悲しむ人をなくしたい」という思いから、当社社員の乳がん検診推進だけでなく、乳がんの早期発見・早期治療の啓発を目的に全国66か所で乳がん検査の受診を呼びかける「ピンクリボン街頭キャンペーン」や、各自治体が実施する乳がん検診の情報をお客様にお届けする「乳がん検診お知らせ活動」を実施しています。
街頭キャンペーンを実施してみて、どのような反応がありますか
長野:街頭キャンペーンではオリジナルティッシュやチラシを作成し配布しています。お客様の中には「なんだティッシュか」という方もいらっしゃいますし、「素晴らしい活動である。何かよい企画があれば一緒にやりましょう」と大学教授から名刺をいただくなど、理解や興味を持ってくださる方が大勢いらっしゃると感じています。
社内やお客様向けのセミナーでは、触診モデルを触るとこんな感じなのかと驚かれる方が多いです。しこりが2cmのモデルでは「小さすぎてこんなの見つけられないわよ」と言う方や、「これくらいだった」というがんサバイバーの方もいました。知っている人には「またか」と思われる情報でも、社内イベントやお客様向けのセミナーでは知らなかったという人がまだまだ大勢いらっしゃいます。乳がんの知識や検診の重要性などの情報を広めていくことが大切ですね。
健康増進に関して社内ではどのような取り組みがありますか
長野:お客様・職員に健康増進アプリを提供し健康増進の推進や生活の質の向上を図るとともに、健康増進教育として、がんや禁煙等に関するニュースを発行する等、がん検診受診の啓発を行っています。
CSR活動としていくつかボランティア活動も行っており、ピンクリボンフェスティバルもその一つです。1年目は募集をかけてもあまり集まらず、個別に声をかけて参加してもらったということもありました。
がんになっても働いている方はいますか
長野:治療後に復帰されている方が何人かいらっしゃいます。「かつらをどうしたらいいのか」などの情報が少なく、日常生活をどうやって送るかがいちばん気になるところのようです。治療には長期の休暇が必要となりますが、正社員と契約社員で制度が違っていたり、復帰しても別の病気で勤務が困難になったりと、一つの治療が終わったからこれで終わりということはないんだなぁと感じました。会社側の福利厚生をもっと充実させることも大切ですね。
日本語で一生懸命伝えてくれたタオさんと、ピンクリボンフェスティバルにご尽力いただいた長野さん。なかなか聞くことができないベトナムの話や、街頭キャンペーンのリアルな状況についてうかがうことができました。日本とベトナムの架け橋になり、いつか一緒に開催するという夢を持たせてくれる、そんなインタビューでした。世界ではどんなピンクリボン活動をしているのか、もっと知りたくなりました。
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