二松学舎大附属柏中学校で特別授業/千葉県柏市

2021.11.13

講師:奥仲哲弥先生

人数:2年生約100人

11月13日(土)、日本対がん協会は学校法人二松学舎とともに、千葉県柏市の二松学舎大学附属柏中学校で中学2年生を対象としたがん教育の特別授業を開催。参加した約100人の生徒たちは、山王病院副院長で、国際医療福祉大教授の奥仲哲弥医師(呼吸器外科)の講義に、真剣な表情で耳を傾け、メモを取っていました。

授業の冒頭では、学校法人二松学舎(水戸英則理事長)が所有する文豪・夏目漱石を再現した人間型ロボット「漱石アンドロイド」とがんをテーマに対談。がんで亡くなる人が増えた理由について、奥仲医師は、平均寿命が明治時代の2倍近くに延びたこと、生活習慣や化学物質などに加え、喫煙の影響も大きいことを説明しました。

また、漱石がロンドン留学中に発見されたX線によって医療技術が進展し、がん検診などによる早期の発見と適切な治療で9割以上が治ると説明。病気がちだった漱石も現代に生きていたなら「検診を受けたい」と話しました。

講義では、がんは30年連続で日本人の死亡原因の1位であり、毎年約100万人が新たにがんと診断され、生涯で国民の2人に1人が罹患すること、約3人に1人ががんで亡くなっていることなどをクイズ形式で解説。専門である肺がんの手術・治療では、CT画像をもとに気管支をコンピューター画像で立体的に再現し、診断に役立てる技術やロボットを使った手術を紹介しました。

がんの予防では、たばこを吸わないことが第一で、肺がんの死因の65%が喫煙によるものと指摘。喫煙者が肺がんになる可能性は非喫煙者の5倍、喫煙者の配偶者は非喫煙者でも2倍になると受動喫煙の害にもふれました。そして、がんから自分を守るために禁煙はもちろん、検診での早期発見、がんの正しい知識が大切だと締めくくりました。

終了後、生徒たちは「がんへの印象が変わり、CT画像で肺を再現する技術にも驚いた」「手術方法の進歩で、がんも治せるという未来に希望を持てた」「喫煙について家族に話したい」。また、がん教育担当の栗真千里教諭は「とてもわかりやすく、大人でも興味がわいた。話術も参考にして授業をしたい」と話しました。