日本対がん協会は、がんの知識の普及、啓発や、がん検診によるがん予防運動を全国的に展開しています |
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「治るようにしたいというのが正直な気持ちです。 21世紀の克服すべき最大の病気ですし、急にはできないが、我々を含めて多くの研究者や医師らが目指している。基礎研究を積み重ね、がんの本質・本態にかなり迫っていると思いますし、研究を応用した治療薬の開発も頑張っています」
「早期発見は非常に大切です。やはり進行するにつれ、治療後の生存率が下がります。一般的には早く見つけて外科的に摘出する、というのが今のところ、一番いい方法だと思います。課題はその後です。手術しても再発の心配はつきまといます。抗がん剤が効果的ながんもありますが、副作用の少ない再発予防を目指した研究を進めています」
「ワクチン療法です。患者さんの免疫力を高めて再発を予防する狙いです。千数百人の患者さんのデータを元に2万数千個の遺伝子を分析し、正常細胞では働いていないのにがん細胞で活動し、かつ、免疫力を高めるたんぱく質を見つけました。それを基に免疫を高める部分だけに相当するペプチドを作り、注射します」「免疫は病原体など外から異物が体内に入ってきた時に排除する仕組みです。がん細胞を異物と認識するようなリンパ球を活性化させるのです。そんなリンパ球が増えて体中をめぐり、がん細胞をみつけてやっつけようというのです」
「臨床研究では進行膵臓がんなどで縮小効果が見られ、2年以上存命の人も3人いますが、数人に効いたから『効いた、効いた』では科学的とは言えないので全国64病院の94診療科と一緒に科学的に有効性を検証するグループを立ち上げ、国のスーパー特区(先端医療開発特区)にも採択されました。5年ほどで使えるようにしたいですね」 |
「がんは遺伝子の病気だと言われます。遺伝子はた んぱく質の設計図で、様々な遺伝子が密接な連携を保 ちながら生命活動を担っています。その遺伝子が傷つ いたり、働きに異常が起きたりしてがんになるので す。一般に年をとるとがんの起きる割合が高くなるの は、そうしたことが起きる確率が高くなるからです」
「一部はそうですが、ほとんどのがんは後天的に起 きます。遺伝子が一つ傷ついたからといって、すぐに がんになるわけではありません。がんに関係する遺伝 子には大きく分けると、がん遺伝子と、がん抑制遺伝 子があります。ふつう、両方が壊れないとがんにまで 進みません。がん遺伝子はいわばアクセルで、がん抑 制遺伝子はブレーキです。両方のバランスがとれてい ると細胞は正常に増殖しますが、バランスが崩れてど んどん増殖したのががんです」 「私たちは両親から遺伝情報(ゲノム)を受け継い でいます。ゲノムが折りたたまれたのが染色体で、人 では母から23本、父から23本受け継ぎ、23対あり ます。遺伝子も基本的には対になっています。ブレー キ役の遺伝子の働きが異常になるのは両方ともに傷つ いた場合です。両親のどちらかから傷ついたブレーキ 遺伝子を受け継いでいれば、もう一方が傷つくだけ で異常が起きる。つまり、がんになりやすいと言えます」 |
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「元は外科医で、がんの患者さんの手術をしていま した。でも疑問がわいてきた。なぜ、がんができるの か。同じ大腸がんでも、あっという間に転移する場合 もあれば、ゆっくり進む場合もある。薬が効く人もい れば効かない人もいる。重い副作用の起きる人もい る。患者さんの疑問であり、診療する私にとっても疑問 でした。がんは遺伝子の病気であることがはっきりし てきた時代です。基礎の情報を利用して診療に携わり たいと考えたのです」 「米ソルトレークシティーのユタ大学に留学して研 究したのが大腸がんの一種の家族性大腸腺腫症です。 20代になるとポリープがたくさんでき、一部ががん になる。同市はモルモン教の中心で、医学に非常に協 力的で家系図作りにも協力してくれていました。家系 に受け継がれる異常を見つければ大腸がんの一端が分 かるのではないか。そう考えて研究を進めたのです。 私が見つけたのはAPCというがん抑制遺伝子で、働 きがなくなるとポリープができる。あといくつかの遺 伝子の異常が重なり、がん化するのです。つまり、い くつかの遺伝子に複合的に異常が何段階も積み重なっ てがんになる」
「良性の腫瘍は、ポリープにあたるものです。ポリ ープは深く広がらないし、他臓器にとんでいかない。 悪性腫瘍は、ある限界を超えて広がり、他臓器にとん でどんどん増える。悪性腫瘍は全身に広がる性質をも っていて体をむしばんでいく。良性腫瘍は、できる場 所によって重篤な問題を起こす場合もありますが、大 きくなっても取り去れば再発して命を落とすことはま ずありません」
「何らかの働きの異常があると思われます」
「摘出すれば、もう大丈夫でしょう」
「持っています。がん遺伝子という言葉が誤解を与 えるんですね。本当は必要な遺伝子なんです」 |
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