国のがん対策事業

がん対策基本法やがん対策推進計画にもとづく
がん治療研究の均てん化事業、患者・家族の支援事業を進めます。

課題1「乳がん検診」

課題1 乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための比較試験

現在の乳がん検診には、マンモグラフィが用いられています。
マンモグラフィ検査は、欧米の複数のランダム化比較試験によって、50歳以上の乳がん死亡率を低下させる効果があることが明らかにされています。一方で、マンモグラフィは、「高濃度乳房」と言われる乳腺密度が高い乳房では、検査精度が低くなります。そして実は、この「高濃度乳房」は、50歳以下の若年層や日本人に多くみられるのです。

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日本人の乳がんを、さらに高い精度で発見する方法が求められています。
「高濃度乳房」の診断精度が高いものとしては、超音波検査が知られています。すでに、乳がん検診として、超音波検査が導入されているところもあります。しかし、超音波検査は今のところ、検査法や読影の技術、機械の仕様が標準化されていません。また、超音波検査が、死亡率を下げるためにどれだけ有効なのかも、まだ科学的に検証されていません。
本研究では、40歳代の乳がんに対して、超音波検査の有効性を調べるとともに、その標準化をめざしています。より効果的な乳がん検診法が確立すれば、早期発見により乳がんで亡くなる方の減ることが期待されます。また本研究を広く知っていただくことで、乳がん検診の受診率が高まることも期待されます。

課題1の追加複合研究が倫理委員会、運営委員会で承認される

平成22年7月29日に開催されたがん戦略研究・倫理委員会(高嶋成光委員長)、続く8月9日の運営委員会(土屋了介委員長)は、課題1「乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための比較試験」(J-START)の追加複合研究として、「J-START研究参加者の同意説明の理解度から見たランダム化比較試験の情報提供のあり方についての調査研究」を実施することを承認した。
この研究は、乳がん検診を受診する一般の女性を対象に試験参加を呼びかけた時に提示・説明したパンフレット等の情報によってどのくらいJ−START研究を理解していたかを把握すると同時に、参加者の視点からその情報の効果を評価するもの。実際に検診会場で参加同意をされた方を対象に無記名でアンケートに回答してもらう形で調査をする。研究期間は平成22年9月から約1年間、280人の研究参加者を対象とする。

臨床試験の参加者は試験の意義は理解しているものの、割り付けの科学的必要性についての理解が十分でなく、不安や精神的ストレスを抱えていた事例も報告されている。J-STARTは世界にも例をみない大規模臨床試験であり、研究班としてより良い理解が得られる情報提供のあり方を考えるとともに、今後のランダム化比較試験を実施する際の重要かつ実用的な基礎資料になることが期待される。