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がん体験者は訴える(鳥取アピール):森本 晴江さん
がん体験者は訴える(鳥取アピール):森本 晴江さん
平成17年度がん征圧全国大会で発表された森本晴江さん(鳥取市在住)の鳥取アピールは次の通り。


皆さんこんにちは。ただいま紹介いただきました鳥取市の森本晴江です。このような場で発表できますこと、大変嬉しく思います。

私ががんの告知を受けたのは、47歳。10年前、阪神淡路大震災の夏の事でした。前年、右胸に違和感を覚えて胸部外科の先生の診察を受けました。その時に左胸のしこりを発見してくださいました。その当時はまだマンモグラフィという診断技術がありませんでしたので、確定診断には至らず、経過観察ということになりました。

半年に1回の経過観察をして3度目の受診のときでした。アメリカからお帰りになった先生は「乳がんの初期です。温存療法で手術ができます」と明快に告知されました。

ところが、私のほうは頭の中が真っ白になっていまして、「がん」という文字だけがぐるぐるぐるぐる回っておりました。それまでの私は、本当に病気が避けて通るぐらい元気な生活をしておりました。地域では、健康推進委員として皆様に集団検診のお願いをしていましたし、人形劇などを通して検診の大切さを訴える、そういう啓発活動なども行っていました。

私が乳がんだなんて絶対に間違いだ。そう思って、いろいろな本を買って読みました。またセカンドオピニオンを頼って、同じ病院の副院長先生のところに受診をお願いしました。でも、先生もやはり同じ診断を下されました。

でも、一瞬のうちに地震で被災された皆さんのことを考えたら、私にはまだ死に至るまでの時間がある、そう思って感謝して、主治医の先生の勧めに従い手術をすることにいたしました。

しかし、本当の苦しさは退院して通院での放射線治療が終わった後にやってきました。放射線治療の倦怠感、乳房切除の喪失感、病気再発への不安感が、本当に押しつぶされそうなほどの状況になって私に襲いかかってきました。

そんな時に、あけぼの会という患者会の患者さんが、私にほほ笑みながらおっしゃってくださいました。「私、術後17年間も生きているのよ」。この一言に、本当にハッと気持ちを切りかえることができて救われることになりました。

がんの体験は一度でももうたくさんなのに、私の場合は、親の介護で免疫力が低下したのかどうかわかりませんが、4年後に悪性リンパ腫に、その2年後には飲んでいた薬の副作用とホルモンの異常を来して子宮体がんに。でも、いずれも定期検診を欠かさずに受けておりましたので、不正出血という自分の異常に気がついて、すぐに主治医の先生のところで受診しました。

満身創痍で生き抜いている身でありながら、対応の早さでこのように10年も生き延びてきたと考えております。ひとえに主治医の先生の早期発見・早期治療のおかげと大変感謝しております。

今こうして生かされていることに感謝しつつ、私の体力・気力でできることで社会参加をしております。同じ病気を克服された方と出会ったことが私の心の復活となり、平成9年から鳥取県立中央病院で、血液疾患長期入院患者の方のお話の相手をする傾聴ボランティアをしております。

クリーンルームで孤独な生活をなさっている患者さんの心に寄り添うことができれば本当に幸せです。私の生かされている意味がここにあると思い、ライフワークにしています。

先日もあるお部屋に伺って患者さんとお話をしていますと、別の患者さんが「私、検診でがんを発見してもらったの。手術は無事に済んだんだけども、放射線治療が怖くて心配です」そうおっしゃいました。「実は私も10年前に放射線治療を受けたんですよ。大丈夫ですよ」。

そういう同病の私が生き抜いている姿は、患者のモデルとして、患者さんに元気に与えることができます。患者さんから、顔を見るだけで励まされますとおっしゃっていただきます。今これが私の元気の源になっております。

いま日本は世界一を誇る長寿社会です。そして鳥取県の高齢化率は全国7位です。年を重ねることで細胞もがん化する確率が高くなります。ますます早期発見・早期治療が重要となってまいります。早期発見すれば治療の見込めるがんもあります。完治も見込めます。

今年の日本乳癌学会市民講座では、早期発見すれば、第1ステージの9割のがんの方たちが生還をかち取れるという研究発表がありました。がんを克服された方々が平均年齢以上に生きられることを願っております。そのための最大の条件はただ一つ。検診で早期発見にまさるものはありません。

ここ日本対がん協会全国大会から、私の体験を通して、がん征圧鳥取アピールを全国の皆様へ訴えます。

一つ、がんの早期発見のため定期検診を欠かさず受けましょう。

一つ、がんの早期治療でがん克服者となりましょう。

一つ、がんを征圧する意思、心構えを一人一人がしっかりと持ちましょう。

皆様、ご清聴ありがとうございました。
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