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| 予防のため検診をうけたいと思っても、 いざ受診しようとすると、わからないことが多いですね。 ここでは 各種がん検診のおおまかな流れや 検診による予防効果などをご案内します。 |

がん検診の目的は、がんを見つけることだけではありません。検診の対象となる人たちの死亡率を低下させることが、がん検診の目的です。
いくらがん発見率の高い検診を受けても、治療効果のないがんや、治療する必要のないがんがたくさん見つかっても、死亡率低下の効果はありません。

これまでの研究の成果によって、胃がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん、大腸がんの5つのがんは、それぞれ特定の方法で行う検診を受けることによって早期に発見でき、さらに治療を行うことで死亡率が低下することが科学的に証明されています。
早期で見つけられれば、がんは決して怖い病気ではありません。
「精密検査が必要」と判定されたら早期がんを見つけられるチャンスと捉え、自分のため、そして心配してくれる周りの人のためにも、精密検査を受けるようにしましょう。

一次検診、もしくは精密検査で「異常あり」と判定された場合、「がんではないか」と怖く感じる人もいるかもしれません。しかし、最終的にがんと診断される人がそれほど多くないことも知っておいてください。

大腸がん検診、乳がん検診をそれぞれ1万人ずつ受診すると、大腸がんでは620人、乳がんでは750人が一次検診で「異常あり」と判定される割合になります。
しかし、大腸がんで約200人、乳がんで約90人が精密検査を受けずに済ませてしまいます。精密検査を受けた人からは、それぞれ大腸がんが16人、乳がんが23人見つかります。
「異常あり」と判定されてもそれがすぐにがんに結びつくわけではないことはおわかりいただけると思います。

欧米では、がんによる死亡が頭打ち、もしくは減少してきています。
特にアメリカでは、1970年代からの国を挙げての取り組みにより、90年代前半からがんによる死亡が減少に転じています。一方、日本では依然、増加傾向が続いています。
日本とアメリカの医療のレベルはそんなに変わらないのに、一体なぜこんな違いがあるのでしょう。

ひとつにはがん検診の受診率の違いとも言われています。日本のがん検診受診率は、3割に満たないといわれています。しかしながら、アメリカの受診率は8割近くにのぼります。
もちろん検診だけでなく、食べ物への配慮や、禁煙への意識を高めるといったことも重要です。

医療では、研究を通して科学的に証明された手法がもっとも客観的で優れているということで、「科学的根拠に基づいた医療(EBM:Evidence-Based Medicine)」を取り入れる動きが国際的に活発になっています。

胃がんや肺がんなどでも、表にあるもの以外の方法で行う検診や、子宮体がん、前立腺がん、甲状腺がん、肝胆膵腎がん(肝炎ウイルス・キャリア検査を除く)などの検診は、死亡率が減少するというには十分な研究が発表されておらず、今のところ効果があるかどうか不明だったり、有効であってもデメリットが大きかったり、あるいは効果がないことが示されています。
日本のがんの死亡率を下げていくためには、治療の進展と検診の拡充、生活習慣の改善の三つの柱が重要になります。検診の拡充という点では、まずは科学的に効果が検証されたがん検診を普及させて受診することが重要です。

